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槙田商店の傘が生まれるまで

江戸時代末期、富士の麓・山梨県西桂町で、絹織物問屋として創業した槙田商店は、昭和30年頃から傘を作り始めました。

槙田商店の傘は「織物の傘」。
傘で使われている生地は、すべて自社工場や地域の提携先工場など、山梨県内で織り上げた織物です。傘生地の裁断、縫製、金具の取付まで全ての工程を一貫生産しています。
織り上がった織物に、防水・撥水加工を始めとした加工を施し、出来上がった生地は、裁断・透き見(すきみ)・中縫い・紐付け・中綴じ・仕上げと多くの工程を経て傘になります。
ほとんどが手作業で行われ、そのひとつひとつに熟練された職人の技が光ります。

繊細な模様や大胆な絵柄を織り上げるジャガード(ジャカード)織物

傘で使われている生地は、すべて自社工場や地域の提携先工場など、山梨県郡内地域で織り上げています。細い糸を高密度で織り上げる、地域の織物の特徴を活かし、複雑なデザインでも鮮明に織り上げることができます。

素材と向き合うことで生み出す世界最高峰の傘

タテ糸とヨコ糸を別々に染め分けて織り上げる先染めジャカードは、織り生地ならではの奥行きと質感が美しい柄を織り上げます。昭和天皇の大喪の礼の際に平成天皇がお使いになられていた傘にも槙田商店の織り生地が使用されました。

繊細な模様も大胆な絵柄も生み出す極細の糸

国内でも数少ない140cm幅の大口電子ジャカードで、自由に柄を織ることができます。糸一本一本が描く凹凸と色柄は全て社内のテキスタイルデザイナーが織組織化し、世界のトップブランドからも支持されています。

機能をもたらす後加工

傘生地には、雨の浸透や水漏れを防ぐ防水コーティングや、水を弾く撥水加工が施されています。傘の用途に合わせて、紫外線をカットするUV加工や、太陽光の暑さが感じにくくなる遮熱加工も施しています。

正確で無駄のない裁断

傘は、木型を使って裁断した『小間(コマ)』と呼ばれる三角形の生地を複数縫い合わせて作り上げます。木型は傘の骨の数やサイズ、生地の伸縮性などに合わせて使い分け、丁寧に手作業で裁断していきます。

キズを見逃さない透見(すきみ)

裁断されたコマに、織りキズや汚れなどが無いか上からも光を当て検品し、下から光を当てて透かして1枚1枚検品します。傘は広げて使用した際に、外側からも内側からも人の目に触れるため、念入りに検品しています。

コマを縫い合わせる中縫い(なかぬい)

上糸のみの特殊なミシンを使ってコマを縫い合わせます。上糸のみのミシンを使うことで、縫い目に伸縮性がでるため、傘を開いた際に美しいシルエットが表れます。縫い合わせた生地は、露先を縫い付ける口とじを行います。

1ヶ所1ヶ所丁寧に中綴じ(なかとじ)

ミシンで縫い合わせた生地と傘の骨とを一体化させるために、1カ所ずつ丁寧に縫い付けます。撥水効果のある蝋引きをした糸を2重にして更に撚りを加えた、強度と撥水効果のある糸を使用しています。

美しい傘に作り上げる仕上げ作業

中綴じが終わった傘に各パーツを取り付けていきます。傘の先端部分である石突(いしづき)、骨先につける露先(つゆさき)など、使用する素材、色味など全体のバランスを確認しながら、思い描いた傘のかたちに仕上げていきます。

一本一本手作業で手元付け

傘に必要なパーツがつけられ、生地にアイロンがけをした後に、長傘は1本1本手元をボンドで接着していきます。緩すぎず、きつすぎず、慎重に手付けをしていきます。

1本1本に思いを込めて。多くの人々の手によって槙田商店の傘は作られています。

傘という字は、一つの屋根の下に、沢山の人が土台の上に集まって表されています。生地作りでも、傘作りでも、デザイナーや糸づくり、染色の職人さん、機屋さん、傘職人と、沢山の人達が関わっています。まさに「傘」の字のごとく、沢山の人の手を介して一本の傘が仕立て上げられています。

<オリジナル傘の発注>

【法人様限定】オリジナル傘をつくりませんか?槙田商店では、生地から製品まで自社で一貫した生産ラインがある国内唯一の工場です。

<傘の事例紹介>

新しいものづくりに挑戦し続ける槙田商店は、他業種とのコラボレーション商品や学生との商品開発プロジェクトに意欲的に取り組んでいます。

<槙田商店公式オンラインショップ>

オリジナルブランド傘の一覧、購入はこちらから。傘に関するコラムも随時更新しています。